お知らせ

奥様と一緒に

先日、お客さまに同行して長崎県の九十九島めぐりに

参加してきました。

昨日まで、鉄輪温泉には「福山遊楽会」の皆様が

いらっしゃいました。

こちらの会、最盛期には1000名を超える大所帯で

臨時列車で別府まで来たこともあったそうです。

今年は数百名の方々がやってこられました。

そして、鉄輪の旅館に分かれて10泊されるのです。

10日間も別府に滞在されるわけですので

日帰りで、九州観光を楽しまれるお客さまも

いらっしゃいます。

そんなお客さまたちと一緒に出かけたと

いうわけです。

(バスガイドさんのお手伝いをするというのが

私のお仕事です。役に立ったかどうかは

疑問ですが 笑)

九十九島までは別府はとバスで出かけます。

ベテランガイドさんのお話に耳を傾けながら

3時間の道中です。

こちらのガイドさん、本当にお話がお上手で

お客さまが皆、ひきつけられているのがわかります。

私も以前、音楽療法のお仕事で数十名のお年寄りを

前に、お話しをしたものですが

なかなか興味をひくようなトークが出来ずに

四苦八苦したことを思い出しました。

和気あいあいとした車内で、私の隣に座られている

おじいさまが、ふいにバッグから何かを取り出し

窓に置かれました。

見ると、白髪の女性の写真です。

「奥様ですか?」

とたずねたところ

「そう。もう、ばあさんだけどね。」

とにっこりほほえまれました。

どうやら、亡くなった奥様のお写真を持って

今回の旅行に参加されたようです。

おじいさまは、九十九島めぐりの遊覧船にも

お写真を持っていこうとしましたが

「もし、誤って海に落としたら大変。お前は

お留守番ね。」

と、また大事にバッグに写真をしまわれました。

きっと生前は仲が良いご夫婦だったのでしょう。

穏やかな笑顔を浮かべるおじいさまは

その愛情を、奥様が天国に旅立たれてからも

ずっとかわらず捧げていらっしゃるのです。

九十九島の風景を眺めながら

私もふと、旅館で留守番をしている主人を

思い

「一緒に来ることが出来たらよかったなあ。」

など感傷的な気分になりました。

kuju

九十九島も美しく、そして何より

生涯パートナーのことを想う美しい心に触れ

私自身の心も洗われる1日でした。