お知らせ

NHKを見て感じたこと

昨夜10時からNHKで放送された

「ETV特集 会社再建は可能か 社長たちの正念場」を見ました。

※ETV特集 公式ホームページ→

長野県の地方都市の中小企業の社長さんが何人か

取り上げられており、景気の先行きが見えない今

下請け、孫請け、ひ孫請け(ひ孫請けという言葉をはじめて聞きました)

の仕事もどんどん工賃が引き下げられ、仕事をしても利益が出ない

どころか赤字…。

こういう状況を何とか打破しようと、経営コンサルタントと一緒に

会社再建に向けて取り組んでいる様子がカメラを通して

映し出されます。

衝撃的だったのが、ある運送会社の社長さんのお話。

以前は、国によって最低ラインの運賃が定められており

きちんと仕事をしていれば、従業員に給料を払って

会社を維持していけたものが、規制緩和により価格競争により

長野⇔東京間の運賃が、以前の半額になったのだそうです。

以前は6万円をもらえていた仕事が、現在は3万円しかもらえない。

下請けだから、自分では価格を決められない。

しかし仕事を取ってこなければ、お金は回らない。

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印象的なシーンがありました。

板金会社の社長さんが、以前自分の会社で手がけた建物を前に

「やっぱり良い出来だ。」と誇らしげに、いかに高度な技術を駆使して

この屋根を作り上げたかを語っていました。

でも今は、自社の技術力を発揮できるような仕事はほとんど

ないのだそうです。

こんな状況がいつまでも続いたら、職人さんたちの技は

いずれ衰退していくのではないでしょうか。

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旅館業のようなサービス業もしかり。

近年、以前では考えられないような低価格のお宿が増えました。

もちろん企業努力もありますが、徹底したコスト削減、サービスの

簡略化・・・によって生まれた、新しいタイプの宿泊施設もあります。

実はゆの香旧館でも・・・

「もっと安くして欲しい。」

※通常旧館素泊まりは1人4,300円です。

「布団なんか自分で敷くから、その分安くして欲しい。」

といわれたこともあります。

お客様のお声もごもっともです。

だけど…。

サービスの簡略化を続けていったとして、その先には何が

あるのでしょうか。

「おもてなし」は、日本が誇る文化だと私は思います。

その文化の衰退だなんて・・・考えたくはないですね。

サービスの簡略化で低価格な施設も必要ではあります…が

皆が右に倣えではなく、それぞれが施設のオリジナリティを出し

経営者もお客様も「納得価格」の良い宿にしていかねばならないと

ひしと感じました。

※注・・・私は低価格な宿泊施設を否定しているわけではありません。

きちんとした経営基盤があって、そういう施設を運営していけるのならば

それは素晴らしいことで、お客様のニーズにも合っているのですから

問題はないのだと思います。

ただし、私達のような小規模旅館がこれから先も続けていくためには

大手さんに右に倣えではなく、自社のオリジナリティを出していかねば

ということを言っています。

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