夕食を厨房で食べていたときのことです。
一緒に食事をしていた主人が
「さっき宴会場で食事をされていたお客さまたちは、旅慣れた方々のようで
『旅館で出された食事は残さず食べないとね。残したら板場の人たちが心配するから。』
って話していたよ。」
と教えてくれました。
確かに、お客さまがお食事を終えた後、お片づけに行った際に
お皿にお食事がたくさん残っていたら
「お口に合わなかったのかしら?」
「何か不手際でもあったかしら?」
と心配になります。
しかしながら、お客さまが板場のことを気遣って、ムリにお食事をされるのでは
楽しい旅行も台無しです。
お客さまのお心遣いに甘えることなく、
「おいしいから残さず食べた。」
と心から言っていただけるようなお食事をご提供できるように板場の従業員一同
毎日励んでおります。
余談ですが、旅館に嫁いでうれしかったことの一つに、毎食板前さんが作った
「まかない」が食べられるということがあります。
自分でお料理を作らなくてもいいというだけでも助かるのに、プロの料理人が作ってくれる
ご飯が食べられるのですから、こんなに幸せなことはないなあと毎回思います。
やはり、海が近いということもあり、お刺身は絶品です。
さすがに、まかないには登場しませんが、追加料金で、関アジ、関サバのおつくりなどもお出し出来ます。