最近、学生時代のことをふと思い出しました。
とある喫茶店でアルバイトをしようと思い、面接に行ったところ
「仮採用」みたいな形となりました。
その喫茶店では、「研修期間」を設けており、その期間に
「業務に不適格」と判断されれば、採用は見送られるのです。
結論から言えば、私は「不適格」と判断されたので
そちらのお店で働いたとはいえません。
(てか、温泉旅館の女将が、喫茶店のウエイトレス不適格の
過去ってどうなのでしょう?)
まあ「不適格」はさておき。
そのお店は、オーナーさんがコレクションしている高級な
カップがたくさんありました。
当時の私にはメーカーなどはわからなかったのですが、きっと
「マイセン」とか「ロイヤルコペンハーゲン」とか、その手のカップを
置いていたのだと思います。
その高級カップは、特定の条件を満たしたお客様にだけ
使っていました。
それは良いのですが…。
従業員に対して、そのカップの扱いについて指導があったのですが
「カップを手洗いする際に『カチッ』と音をさせてしまったら
(要はカップ同士または爪などに接触したら)
オーナーに『すみません』と謝罪すること。」
と言われたのに、私は非常に驚きました。
※実際にアルバイトさんは、「すみません」と言いながら
カップを洗っていました。
そういう謝罪の言葉は、自然発生的なものであって
マニュアルで決めることなのだろうか・・・。
いや、
「このカップは俺が集めた命よりも大切なコレクションだから
大切に扱ってくれよ!」
とか言われたのでしたら、私も納得したのです。
そういい聞かされていれば、自然に謝罪の言葉も出るかも。
もしくは
「このカップはアルバイトは触ってはいけない。
オーナーがいるときのみ、お客様へご提供する。」
でも良いかもしれません。
このシステムのほかにもいろいろなルールがあるお店でした。
例えば
「同じことを2度言わせる人間はバカ」
とか。
※1度習ったことを、再び聞くとそういわれます。
当時の私は根性なしでしたので、これらのシステムに
とてもついていけず、オーナーに
「あなたこのお店でこれから頑張っていける?」
と聞かれた際、素直に
「はい。」
といえず、結果「不適格」と判断されました。
※「同じことを2度言わせる人間はバカ」とか言われながら
バイトをする自信がなかったんです(情けない?)
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今私も、多くのアルバイトを雇用する立場となりました。
そして、あの喫茶店オーナーと同じくらいの年齢にもなりました。
自分自身が大切にしているものを旅館にも置いています。
そうなった今でも、あのオーナーさんの考えは理解が出来ないのです。
それは単に「考え方の違い」ということなのですけどね。
私は従業員に対して
「同じことを2度言わせる人間はバカ」
とは言えないなあ(苦笑)
私自身が1度じゃ覚えられないことばかりですから。
あ!そうか。
真実は「考え方の違い」ではなくて「オーナーの能力の違い」
だったのか!!
きっとあのオーナーさんは、カップを音一つ立てずに洗うことが出来
仕事は一度で理解出来る人なのでしょう。