旅館のラウンジにあるピアノを、ときどきお客様が
お弾きになります。
中学生くらいになると、っていうくらい上手な方もいて
びっくりです。
先日東京からいらっしゃったお客様も、それは上手にシューベルトの
即興曲を演奏されて、思わず聞きほれてしまいました。
粒の揃った音がコロコロと鍵盤の上を転がっていくようで
若さ溢れる素敵な演奏でした。
シューベルトを演奏された方のお父様が
「今度来たときは、女将の演奏もぜひ聴かせてくださいね。」
とおっしゃった際
「それは大変、練習しておかなくては。」
と答えたのはいいですが・・・。
こんな上手な息子さんの(男の子さんでした!)前で、私に何が弾けるでしょうか
「昔取った杵柄」という言葉がありましたね・・・。
というわけで、昔の楽譜を引っ張り出して練習を再開しようかと。
これらはその名も練習曲。
左はクレメンティさんが作曲した練習曲集
「グラドス アド パルナッスム」
右はショパンさんが作曲した練習曲集
「12の練習曲 Op10」
ちなみに、ショパンの有名な「革命」も
この練習曲集の中の1曲なのです。
「練習曲」といっても、ピアノの詩人ショパンが作った曲ですから
コンサートで演奏出来るくらい芸術的にも優れています。
こんな感じの楽譜。
これは作品10-4。
漫画「のだめカンタービレ」の中で、主人公がコンクールで演奏した曲です。
「心ここにあらず」な演奏をして、ハリセン先生に叱られた曲です
この曲、ショパンエチュードの中でも難易度が高く、発表会で弾く予定が
「・・・この曲はやめておきましょうか。」と、私のあまりにひどい演奏を聴いて
先生が、曲をかえたという苦々しい思い出がございます。
(結局本番ではショパンエチュード『大洋』と『エオリアンハープ』を弾きましたが
これもぱっとせず、先生をがっかりさせたという・・・)
ああ、嫌なことを思い出してしまった。
そういえば・・・。
左のクレメンティさんの練習曲は、はるか昔、私が受験しようと思っていた
音大の先生にレッスンをしていただいた際弾いたのですが・・・。
「・・・うちの大学受ける子って皆もっと上手よ。しかもこんな簡単(簡単じゃないぞ)
な曲弾いて、この程度じゃあ」
と、涙も凍るような厳しいご指摘を受けたという悲しい思い出が・・・。
(奮起して練習し受験して何とか合格しました・・・。)
ああ、クレメンティもダメか。
っていうか、私、今も昔も全然弾けてなかったとか?
何が「昔取った杵柄」だか。
聞いて呆れますね