別府は、温泉の他にも、地下から高温の蒸気がもくもくと吹き出ています。
特に、楽々園がある鉄輪(かんなわ)地区は、その蒸気の噴出量が豊富なことでも有名です。
あちらこちらから、湯けむりがあがっている風景は、圧巻です。
さて、その蒸気ですがただ噴出させているだけではありません。
「蒸し風呂」といって、狭い部屋の中に蒸気を充満させた『元祖サウナ』とでも
いうような施設に利用したり、旅館の中に蒸気管をめぐらせ、冬場の暖房に
利用したり、お湯を沸かしたり・・・。
もちろん、楽々園でも今挙げた使い方は、すべて実践しています。
後、忘れてはいけないのが「地獄蒸し」ですね。
え?拷問に使うのかって?
・・・違いますよ
別府では温泉蒸気のことを「地獄」と呼ぶのです。
その地獄を利用して、お野菜や魚介類をふかしたお料理を「地獄蒸し」と言います。
ただの蒸し物だと思ったら大間違いです。
地獄で蒸したお野菜は、ホクホクで、素材本来の味が全面に出て
もうとにかく絶品です。
最近では、地獄を利用して作ったプリンなども人気です。
「地獄蒸しプリン」が大人気の旅館さんでは、土日ともなると
売店にたくさんの観光客が訪れて、プリンを味わっています。
その様子を見ていた私は思いました。
「楽々園でも、何か地獄蒸しで名物を作ろう!」
で、無い知恵絞って考えたのが「地獄蒸しパン」を作るというアイディアです。
早速スーパーに行って、蒸しパンの素を買ってきました。
チェック柄のかわいいカップもそろえて準備は万端です!
「ふかふかの蒸しパンを作るぞ!」
と意気込んで、地獄釜にセットしたのですが・・・。
「あらら・・・。」
地獄の威力は私の予想以上に強かったみたいで
カップがくずれて(紙製だったせいもありますが)
蒸しパンの素がこぼれてしまいました
仕方ないので、そのまま蒸し作業を続行です。
蒸しパンの素には「蒸し時間は15分」という記載がありましたが
地獄では5分で蒸しあがりました。
やはり、蒸し器に比べて威力が強いみたいです。
味はおいしかったのですが、こんな形じゃとても
旅館の名物には出来ません。
「今度はアルミカップでリベンジだ!」
と、闘志をあらたにした私でした。