私の頭の中に残っている記憶で、一番古いものは1歳数ヶ月の頃のものです。
両親と一緒に山口県、島根県に旅行に出かけた記憶が残っています。
秋吉台の景色や、津和野の街を流れる水路にいた鯉などをおぼろげながら
覚えているのですが、そのほかにも何と宿泊した旅館の記憶もあるのです。
その旅館が高級だったとか、お料理がおいしかったとかいう記憶ではなく
お部屋に置いてあった姫鏡台のことが、今でも頭に浮かぶのです。
最近の旅館はどうかわかりませんが、昔の旅館にはお部屋に小さな鏡台が
置いてあったのです。
この古い古い記憶を思い出すたびに
「ああいう鏡台は今は使われないのかな。」
と少し寂しい気分になっていたのですが、29年ぶりにとある場所で
あの記憶通りの姫鏡台と再会しました。
そう、楽々園には今でもあのかわいらしい姫鏡台がいくつか残っていたのです。
大部分は破損して処分してしまったようですが、お部屋の片隅にひっそりと残っている
姫鏡台を見て
「30年近く頑張っているんだね~。」
と思わず声をかけたくなりました。
それにしても、自分の中の一番古い記憶の品とこんなところで再会するとは
面白いものですね。
私は、その頃から旅館に嫁ぐ運命だった・・・というのは少し大げさでしょうか。